日本学術会議協力学術研究団体
日本英語文化学会
The Japan Society for Culture in English

アーカイブ例会報告


第147回6月例会

日時:2021年6月12日(土)オンライン開催(Zoom)

<研究発表>
16:00〜16:40 第1発表

発表題:18世紀におけるJohn Miltonの受容―John BoydellのThe Poetical Works of
John Miltonを中心に―
発表者:加藤遼子(日本大学)
司 会:福島昇(元 日本大学)

発表要旨
本発表は、18世紀中期から後半にかけ印刷業で活躍したJohn Boydell (1719-1804) が1794年から
1797年にかけて刊行したThe Poetical works of John Milton. With a life of the author, by
William Hayley (以下、Boydell版とする。)を中心に、Boydellによる17世紀詩人の再評価と人々
の受容を考えるものである。Boydell版は、Boydellとその甥Josiah Boydell (1752-1827) により刊
行された、17世紀英国詩人John Milton (1608-1674) の詩作品および銅版画で作成された挿絵を収
録した稀覯本である。このBoydell版が出版された18世紀後半、英国はナショナリズムの高まりとと
もに自国の素晴らしき作家たちの見直しが行われている最中であり、その中でBoydellは自国の芸術
のレベルを他国(主にフランス)と対等になるようWilliam Shakespeare (1564-1616) の作品を基
に絵画を制作・展示をしたThe Shakespeare Galleryを企画し、大盛況を収めた。18世紀の英国社会
情勢と共にBoydellの自国の芸術発展への貢献を踏まえながら、Miltonの受容を考察していく。


16:50〜17:30 第2発表

発表題:日本とアメリカの野球文化の違いについて
発表者:橋強(東海大学)
司 会:須永隆広(駿河台大学)

発表要旨
今年は、オリンピックイヤーということでスポーツに焦点を当てた研究発表を行います。そこで発
表者が焦点を当てたのが日本とアメリカの両国に共通する野球とベースボールという国民的娯楽に
ついて考察を深めていきます。一口に野球といっても日本とアメリカではとらえ方も違うし、考え
方、システム、練習の仕方などどれをとっても異なるのが野球とベースボールです。これらの相違
を文化的な側面と研究データに基づいた数字により研究と考察を含めたものを今回の発表といたし
ます。発表では、野球とベースボールの歴史を通して、先行研究を紹介し、ベースボールがどのよ
うに日本に定着していったかについて様々な大学の研究者の例を示すことにより、ベースボールか
ら野球へと変遷していった過程と日本野球が確立されていった経緯について触れていく予定です。
さらに統計による野球人口の相違など人口統計から紐解き、野球とベースボールの双方の人気度や
礼節を重んじる日本の野球と勝利至上主義の日本の風土との関係、またベースボールはアメリカに
おいては個性を伸長するスポーツであり、様々なスポーツの一つであるという考え方、つまり野球
のシーズン以外はバスケットボールやアメリカンフットボールの選手として活躍することなどスポ
ーツ文化についてもかなりの相違がみられます。また野球とベースボールに関して親のかかわり方
も大変重要な要素なっていることがデータから垣間見えることとなり、練習や試合への関与など実
際にプレーしている選手以外の面で重要な要素となっていることがわかった。これには練習のあり
方や監督と選手の関係にも多大な影響を及ぼしている。厳しい練習をすることが美徳とされる日本
野球と褒めて伸ばすベースボールとの違いは何であるのか、一概には答えを見出すことはできませ
ん。なぜなら文化的な相違があるからです。これらのことについて野球とベースボールとの文化的
な違いを総合的に比較し、独自の観点から発表することとする。




第146回3月例会
日時:2021年3月13日(土)オンライン開催(Zoom)

<研究発表>
15:10〜15:40 第1発表
発表題:ドレの挿絵から読み解く19世紀のParadise Lost
発表者:天海希菜(日本大学・院)
司 会:金子千香(松山大学)

発表要旨
ジョン・ミルトン(John Milton, 1608-74)は17世紀の英国叙事詩人であり、旧約聖書のアダムと
イブの物語を壮大に描いた彼の代表作、『楽園の喪失』(Paradise Lost, 1667)は文学や芸術に大
きな影響を与えた。1668年に出版された第四版からは挿絵が入り、ミルトンの文章をより一層飾り
立て、読者の想像力をかき立てた。18世紀半ばから19世紀にかけては多くの著名な挿絵画家が『楽
園の喪失』の挿絵を手がけており、フランス人挿絵画家のギュスターヴ・ドレ(Gustave Dor?,
1832-83)もその一人である。ドレはフランス、ストラスブールで生まれ、幼い頃から才能を開花さ
せた彼は15歳で画家としての仕事を始める。様々な著名な作品の挿絵を手がけたドレの人気はフラ
ンス国内に留まらず、ロンドンでも高い評価を受け、1866年にドレの手掛けた挿絵入りの『楽園の
喪失』が出版される。ドレは『楽園の喪失』の中で50点もの挿絵を創作しており、ミルトンの世界
観をより細かく忠実に描いている。繊細で美しいドレの挿絵は瞬く間に評判になり、現代に至るま
でもその人気は衰えず、1967年から出版されている論集The Milton Quarterlyでは表紙の絵に採用
されている。また1940年に日本で初めて出版された挿絵入りの『楽園の喪失』にもドレの挿絵が採
用されており、日本人にとっても馴染み深い画家である。本発表では、このドレの手掛けた『楽園
の喪失』に着目し、ミルトンの世界観をどのように描いているかを分析し、また彼の挿絵から19世
紀でどのように『楽園の喪失』が捉えられていたのかを考察していく。


15:50〜16:20 第2発表
発表題:外国語教育における文学の教育効果
発表者:河野智子(神奈川工科大学)
司 会:中川洋子(駿河台大学)

発表要旨
本発表の目的は、外国語教育において文学教材を利用することの意義を問いなおし、文学を用いた
教育実践が、言語習得に重要な役割をもつメタ言語の育成にも寄与すると論じることである。
 昨今の日本の外国語教育では、母語ではなく目標言語を媒介として言語を習得するダイレクト・
メソッドが推奨されている。これは、外国語教育の主な目的が、1980年代に生じたコミュニケーシ
ョン能力育成主義の流れにより、伝達能力の育成を中心とするものになってきたことに起因する。
かつて日本の教育現場で伝統的に採用されてきた文法訳読法は、迅速な言語習得ができないという
理由で排除される傾向にあり、テキストの精読が必須となる文学作品を扱う授業は、あまり推奨さ
れてはいない。しかしながら、文学作品は思考力を伸ばすには最適な教材である。1980年代から
1990年代にかけて批評理論が世界的に隆盛を極めると、文学や文学研究の価値が再評価され始め、
1990年代の英米で外国語教育に文学教材を取り入れる傾向が復活し、言語習得における文学教材の
役割についての議論も活発に行われるようになってきた。本発表では、思考力の養成に多大な貢献
をする文学は、言語習得に必要なメタ言語能力の育成にも適していることを論証するために、具体
的な教育実践例に言及しながら、文学教材のもつ教育効果を追求する。


16:30〜17:00第3発表
発表題:An ELF Model and Its Limitations in Japanese ELT
発表者:渡辺宥泰(法政大学)   
司 会:中井延美(明海大学)

発表要旨
An ELF Model and Its Limitations in Japanese ELT
Applied linguists have extensively discussed incorporating the ever-growing use of L2
English within the scope of ELT, as inspired by Kachru's (1985) Three-Circle model of
World Englishes (WEs) and the paradigm of English as a lingua franca (ELF) (e.g.,
Jenkins, 2000, 2007) in particular. In reflection of sociolinguistic interest in the non-
native speakers' co-ownership of English, ELT experts in Japan have increasingly
enhanced awareness for WEs/ELF and the elimination of deeply entrenched native-
speakerism. However, their efforts have not resulted in the improvement of learners'
general proficiency in English and confidence in 'Japanese English'. In an attempt to
recognise the limitations of an ELF model, the author conducted a questionnaire with
advanced level learners; it reveals that their predominant preference towards US English
is solidly founded on an instrumental impetus, rather than a mere lack of understanding
about ELF. Additionally, the ideal proficiency for classroom teaching targeted by MEXT
is too low to implement the ELF approach effectively.



第145回12月例会
日時:2020年12月12日(土)オンライン開催(Zoom)
<研究発表>
15:40~16:10 第1発表
タイトル:筆記試験における語彙の発音測定と、対面面接による口頭試問との相関関係
発表者:山西敏博(長野大学)
司 会:中井延美(明海大学)

発表要旨
本発表は、発音問題における筆記試験による妥当性を測定することを目的とする。
一般的に英語の試験は様々な形式の設問で成り立っている。下線部和訳を始めとして、和文英訳、
語順整序、内容要約、内容真偽など多種多様である。その中で発音の強勢に関する問題もこういっ
た英語の問題に含まれており、とりわけ日本においては、中学校での定期試験問題から大学の入学
試験問題に至るまで幅広く出題されている。通常、これまでは時間的な制約や物理的な効率の関係
から、対話(スピーキング)能力の測定がなかなかできにくいことから、一般的にはこの形式で発
音の能力を測る代替物とされている傾向にある。
一方、近年、筆記試験において受験生が実際にこのような発音問題を解答するにあたって、本当に
その能力が測られているのかどうかといった関心が高まり、その妥当性も指摘されてきている。加
えて研究者によると、その妥当性には疑問を呈しているものも現れてきている。こういった一連の
流れから、本稿では発音問題の筆記試験による妥当性を測定することを目的とする。

16:20~16:50 第2発表
タイトル:トニ・モリスン『タール・ベイビー』におけるシェイクスピア『テンペス
ト』表象の変遷 ――無知の罪について
発表者:福島昇(日本大学)
司 会:木内徹(日本大学)

発表要旨
 1981年、トニ・モリスンはシェイクスピアの戯曲『テンペスト』(1611)をポスト・コロニアリズ
ムの視点から批判し、長編小説『タール・ベイビー』を著した。
 マリン・ラボン・ヴァルターは『タール・ベイビー』をメレディス・アン・スクラが主張する修
正主義の立場から、『テンペスト』の改訂版(リビジョン)として捉え、「キャンデー王ヴァレリア
ン・ストリートをいかさま魔術師プロスペローと、両親を亡くしたジェイディーン・チャイルズを
母親を亡くしたミランダと、サンを野蛮なキャリバン」と解釈している。プロスペローが劇の最後
で「この闇の子[キャリバン]は私自身だ」と告白する場面がある。テリー・オッテンは著書『ト
ニ・モリスンの小説における無知の罪』の中で、「無知はそれ自体が罪のしるしである。なぜなら
ば無知は堕落した黙認を示すからだ」と言っているが、その主張はプロスペローの「この闇の子は
私自身だ」と深い関係がある。なぜならば、プロスペローの告白は自己発見、自己暴露、罪の告
白、あるいは犠牲を払って責任を受け入れることを暗示しているからだ。プロスペローは島の先住
民キャリバンを奴隷にするという罪を犯した。ヴァレリアンも息子マイケルに、また使用人に対
し、故意に潔白なふりをして人権を無視した態度をとってきたが、自分の無知の罪に忌まわしさを
感じている。本発表では、プロスペローとヴァレリアンの無知の罪について、その影響関係を論
じ、『タール・ベイビー』がポストコロニアル批評の重要なテキストである『テンペスト』をいか
に表象しているのか、スクラやヴァルターやオッテン等の主張を手がかりにプロスペローとヴァレ
リアンの無知の罪について考察する。 

第144回12月例会
 日時 令和元年12月14日(土)午後4時〜6時
 場所 昭和女子大学8号館2S42教室

<研究発表>
 午後4時〜4時50分
(1)発表者 川嶋正士(日本大学)
   司会者 水本孝二(日本大学)
   発表題 「Henry Sweet (1891/1898) における規範性と Onions (1904) における
       科学性」

 発表要旨

 本発表では、「5文型」に関する史的研究の一環として「5文型」の誕生期における規範文法と科
学文法の交錯について考察する。
現在の「5文型」の原型とみられる文の五公式を提唱した細江(1917)は、その序文で当時隆盛しつ
つあった科学文法の始祖である Henry Sweet への傾倒を表す。しかし、細江が同著の原典としたの
は、科学文法によって否定された規範文法の枠組みで書かれた Onions (1904) であった。
 当時は、この2種の文法学について現在の理論言語学と実践(学校)文法においてなされるような
明確な区別がなされなかった。Sweet の経験科学的なアプローチは、主として英国の諸方言や歴史
的言語変化にみられる第1次資料を観察することに限られ、品詞分類や統語分析は旧来の規範文法の
体系に依拠した。
 また、規範文法も当時の実証的な研究の影響を受け、言語事実を虚心坦懐に見つめ、記述する傾
向がみられるようになった。Onions は規範文法がその存在を認めなかった分離不定詞(Split
Infinitive)を初めて公式に認めるなど、科学的な姿勢を取った。
 これらの交錯は、細江(Op. cit.)において昇華され、日本語で書かれた体系的な「科学文法
書」の嚆矢となり、のちの日本の英語教育や英語学に強い影響を与えることとなった。

 
午後5時〜5時50分
(2)代表発表者 渡辺宥泰(法政大学)
   共同発表者 中井延美 (明海大学)
   司会者  岸山 睦 (昭和女子大学)
   発表題 「CEFRと英語民間検定試験を巡る諸問題について」

 発表要旨
 本ワークショップでは、大学入試改革における直近の動向を踏まえ、英語民間検定試験(以下,
検定試験)を巡る諸問題について、渡辺・中井が議論のための材料を提供するかたちで、フロアの
皆さまと認識を共有したいと考えている。大学入学後の英語教育の方向性にも関わる検定試験は、
「語学科目」として英語を教授する機会の多い本学会会員にとっても看過できないテーマである。
9月の全国大会で企画されたシンポジウムは、大学における英語教育の意義と目的を再認識する狙い
があった。そこでは英語教育の理念と検定試験の受験対策は異なる次元にあることが確認されてい
る。一方、大学入学共通テストへの検定試験の導入見送りという唐突な政府決定が、高校生と教育
関係者を唖然とさせたことは記憶に新しい。
近年、CEFR、EMI、ELF、CLIL等、言語教育に関わる概念が正確な理解なく一人歩きしている観があ
る。例えば、各種検定試験の枠組みであるかのように語られるCEFRは、当該言語の運用力を日常的
な言葉で記述したものであり、本来、数値化・点数化を想定していない。そもそも複言語使用が日
常化しているヨーロッパで策定されたCEFRが、英語を外国語として学ぶ日本の言語環境に相応しい
かどうかについても十分な議論はなされていない。
発表の手順として、まず中井が、結果が数値化されスコアで示される検定試験を取り入れている教
育現場の問題を提示し、続いて渡辺が、社会言語学的背景を考慮せずにCEFRを拠所にするという国
内検定試験の矛盾点を指摘する


第143回6月例会  日時 令和元年6月8日(土)
  場所 昭和女子大学8号館2階2S41
<研究発表>
(1)発表者 小野雅子(國學院大學)
   司会者 本間章郎(駒澤大学)
   発表題 『響きと怒り』における門と柵の表象―ベンジーとのかかわり

発表要旨
 柵(fence)とは、 "a means of protection" "a barrier intended to prevent escape or
intrusion or to mark a boundary" である。門(gate)とは、"an opening in a wall or fence"
である。『響きと怒り』の冒頭は、知的障害を持つベンジーが、柵の向こうのゴルファーを見、ま
た柵に沿って歩く印象的な場面で始まる。柵は、ベンジーが幼いころ、姉とキャディとともに、く
ぐったことを振り返る場面にも出てくる。他方、復活祭の日、ディルシーとともに門を出て、教会
に行こうとする時、ベンジーは泣き止むが、教会から帰ってきて、門をくぐった途端、ベンジーは
泣き始める。なぜ、ベンジーが門をくぐって外に出ると泣き止み、帰宅して門をくぐると泣くの
か、フォークナーは書いていない。柵については、ベンジーがゴルファーの呼ぶ声、キャディに、
姉のキャディを思い出し、泣くというように、研究者によって、指摘されており、確かにその通り
である。しかし、柵にしろ、門にしろ、それらは、外の世界の干渉からコンプソン屋敷を守り、同
時に、外の社会との接触を阻む役割を果たしているのではないか。今回の研究発表では、何を守
り、何を妨げているのかという観点から、柵と門の表わしているものを、特にベンジーとのかかわ
りから考えていきたい。

(2)発表者 福島昇(日本大学)
   司会者 木内徹(日本大学)
  発表題 トニ・モリスン『タール・ベイビー』(I98I)におけるシェイク
  スピア『テンペスト』の受容--ポストコロニアリズムを問い直す
発表要旨
 1981年、モリスンはゴールドバーグらが言うように『テンペスト』の影響を受けて『タール・ベ
イビー』を翻案します。本発表では、キャリバンとサン、プロスペローとヴァレリアン、ミランダ
とジェイディーン、サンとジェイディーンとの影響関係、最後にキャリバンは誰なのかについて、
ポストコロニアルな視点から発表します。タール・ベイビーとは「タールの塊に服を着せボンネッ
トをかぶせた人形に、いたずらウサギがくっついて離れなくなってしまうが、賢いウサギはなんと
かその状況から抜け出す」というアメリカの民話集から取ったものです。つまり、モリスンが言う
ように、「黒人ジェイディーンがタールを塗られた人形であり、黒人サンがウサギです」。
 『テンペスト』のプロスペローとミランダが西インド諸島の小さな島に漂着したように、サンも
キャリバンがかつて住んでいた西インド諸島の小さな島に漂着します。プロスペローとミランダが
見たのは島の美しい浜辺であり、先住民族のキャリバンであり、エアリエルですが、サンが見たの
は300年前、奴隷たちがそれを見た瞬間、眼が潰れてしまった島の浜辺とアフリカから奴隷として連
れてこられ、大規模農業主に買われ、その元で農奴として働いたアフリカ人の子孫たちです。モリ
スンはポストコロニアルな側面から『テンペスト』と『タール・ベイビー』を結びつけますが、
『タール・ベイビー』を『テンペスト』のようには、ハッピーエンドの形で終わらせません。モリ
スンはヴァルターが主張するように、『テンペスト』について「理想的」な読み方と「修正的」な
読み方をし、『テンペスト』をこの二つの読み方の交差点におき、『タール・ベイビー』の登場人
物ヴァレリアンの中にプロスペローを、ジェイディーンにミランダを、サンにキャリバンの像を見
て、プロスペロー=ヴァレリアンの欧米中心主義的基準に疑問を呈しています。



第142回3月例会 日時2019年3月9日(土)午後4時00分〜午後6時00分
          場所 昭和女子大学)8号館(2S41)
<研究発表>
(1)発表者 須永隆広(昭和女子大学)
   発表題 エンプソンの ‘argufying' − ‘argufying'による批評家エンプソンの
  出発点
   司会者 岸山 睦(昭和女子大学)

 
ウィリアム・エンプソン(William Empson)が ‘argufying' という語を初めて用いたのは、第二の
著書、Some Versions of Pastoral(1935)であり、続くThe Structure of Complex Words(1951)や
Using Biography(1984) の中でも用いているが、どの著書においても、‘argufying' に焦点を当て
た議論が存在すると言えるようなものではなく、むしろ、意識していなければ見逃してしまう程度
の存在でしかないように感じてしまう。しかしながら、彼は、‘Argufying in Poetry’ と題した
論文において、‘argufying' が低次元な語であると述べつつも、詩を読む際には必ずと言ってよい
ほど見出せる議論であると述べていることから、彼が、以前から ‘argufying' という語に意識を
持っていたということが分かる。したがって、本発表では、これまでの自身の研究において定義し
た「異質でありながらも同質である」というエンプソンの ‘argufying' と解釈できる箇所を見出
し、Seven Types of Ambiguityだけでなく、Some Versions of Pastoral や The Structure of
Complex Word、およびUsing Biographyを通して、エンプソンが用いた ‘argufying' と解釈できる
対立概念が、彼の批評の終着点ではなく、出発点であるということを述べていく。



(2)発表者 中川洋子(駿河台大学)
   発表題 小学校学習指導要領外国語活動・外国語」(2017年改訂)の課題
   司会者 水野晶子(拓殖大学)

 本発表は、日本人の英語観分析の一環として、小学校英語教育の課題について検討するものであ
る。2020年から小学校の3・4年生で「外国語活動」が、5・6年生で「外国語科」が導入される。本
発表では、今回の学習指導要領改訂で加筆された「身近で簡単な事項」の意味と、新学習指導要領
の作成に大きな影響を与えたCEFRの扱い方について考察した。
その結果、「身近」な題材には検討の余地があること、CEFRを支える複言語主義の理念への配慮が
ないまま、CEFRを言語学習の到達目標と評価基準に利用しているといった問題を明らかにした。ま
た、効果的な英語教育を目指す過程で、目的別学習という一つの試論を提示する。



第141回12月例会  日時 2018年12月8日(土)午後4時00分〜午後6時00分
         場所 昭和女子大学(7号館7L04教室))

  <研究発表>
  午後4時40分〜午後5時30分
(2)発表者 渡辺 英依美(Cardiff University)
   発表題 English-Japanese bilinguals' vocabulary size: A case  
       study
  司会者 小野雅子(明海大学) 

It has been claimed that bilinguals have a smaller vocabulary size than monolinguals.
However, many studies have focused on bilinguals of English and another European
language. The present study investigated whether the claim was also true for English and
Japanese bilinguals. Participants were 11 English monolinguals, 12 Japanese monolinguals
and 10 English-Japanese bilinguals who were born and/or had lived in an English-speaking
country before the onset of puberty and were constantly exposed to both languages in
daily life.
The results confirmed the previous view on the bilingual disadvantage, but only in
reference to the less frequently used English words. The bilinguals were advantaged over
the Japanese monolinguals in two tests on Japanese active vocabulary and no significant
difference was observed between them for passive vocabulary. The weaker links hypothesis
(Gollan et al., 2008) was proved in the use of English vocabulary, while the competition
hypothesis (Dijkstra, 2005) was also supported in some Japanese vocabulary tests.


第140回6月例会  日時 2018年6月9日(土)午後4時00分〜午後6時00分
         場所 昭和女子大学(8号館5階5L44教室))
 <研究発表>
 午後4時〜午後4時50分
(1)発表者 清水純子先生(法政大学)
   発表題 サイコホラーとして読み解く 川端康成 の『美しさと哀しみと』
   司会者 錦織裕之先生(元立正大学)

  午後5時〜午後5時50分
(2)発表者 中井延美先生(明海大学)
   発表題 「hospitality」と「ホスピタリティ」
   司会者 佐々木隆先生(武蔵野学院大学)   


第139回3月例会    日時 2018年3月10日(土)午後4時00分〜午後6時00分
          場所 昭和女子大学80年館(西棟)5L44教室

<研究発表>
 午後4時〜午後4時50分
(1)発表者 福島昇先生(日本大学)
   発表題 トニ・モリスン『青い眼がほしい』におけるシェイクスピア『ハムレッ
  ト』の受容について---「私たちのイノセンスも死んだ」---
   司会者 清水純子先生(法政大学)

午後5時〜午後5時50分
(2)発表者 木内徹先生(日本大学)
   発表題 イシュミエル・リードの『春までの日本語』における新ヴードゥー主義
   司会者 清水純子先生(法政大学)   



第138回12月例会          日時 2017年12月9日(土)16:00〜18:00
                 場所 駒澤大学駒沢キャンパス9号館173教場

<研究発表>
発表者 水本孝二(日本大学)
発表題 発表題  英語前置詞の多様性:aboveとover について
司会者 岸山睦 (昭和女子大学)

発表者 伊藤由紀子 (東京電機大学)
発表題 Lessons Learned from the Recent Issued Books on Japanglish
司会者 中井延美(明海大学)


第137回6月例会          日時 2017年6月17日(土)16:00〜18:00
                 場所 駒澤大学駒沢キャンパス9号館287教場

<研究発表>
発表者 染谷昌弘(東洋大学)
発表題 発表題 The Foxとirony
司会者 加藤英治(法政大学)

発表者  岩崎宏之 (茨城県立医療大学等(非)
発表題  英語史におけるthat痕跡効果に関する一考察:その出現時期をめぐって
司会者  岸山 睦(昭和女子大学)


第136回3月例会  日時 2017年3月11日(土)16:00〜18:00
  場所 駒沢大学駒沢キャンパス8号館258教室

(1)発表者 Yutai Watanabe先生(法政大学)
  発表題 The Concept of EIL in the Suggested Course of Study in English 
  (1947/1951)
  司会者 中井延美先生(明海大学)

(2)研究報告Yutai Watanabe先生(法政大学)
  発表題 English as a Lingua Franca in Japan: A Brief Comparison with
  Mainland Europe
  司会者 中井延美先生(明海大学)


第135回12月例会  2016年12月10日(土)午後4時00分〜午後6時00分
              場所 昭和女子大学80年館西棟2S41教室(2階)
 
(1)発表者 藤木智子先生(日本大学)
   発表題 『ロミオとジュリエット』ー周縁の人々の祝祭性
   司会者 福島昇先生(日本大学)

(2)協議・話し合い(諸議題あり)
  

第134回6月例会  2016年6月18日(土)午後4時00分〜午後6時00分
              場所 昭和女子大学80年館西棟4S41教室(4階)
 
 「18世紀末から19世紀初頭における、イギリス文学とドイツ文学との関係
 ――主としてコウルリッジとドイツ文学者とを巡って」

    発表 大正大学 高山信雄
    司会 法政大学 日中鎭朗


第133回3月例会  2016年3月19日(土)午後4時00分〜午後6時00分
              場所 昭和女子大学80年館西棟3S41教室(3階)
 
(1)英語の前置詞句主語構文の習得と通時変化:統一的枠組みの構築に向けて
    発表 筑波大学 岩崎宏之
    司会 明海大学 中井延美

 (2)マーク・トウェイン、C・D・ウォーナー『金メッキ時代』
    ――作品から読み取る著者の時代との向き合い方
    発表 元立正大学  錦織裕之
    司会 昭和女子大学 須永隆広

第132回 2015年12月12日(土)午後4時00分〜6時00分
               昭和女子大学80年館西棟4S41

(1)ジョージ・エリオット作『ダニエル・デロンタ』
   ーーロマンスと現実:東洋仏教文化の瞑想ーー
   発表 駒澤大学 高野秀夫
   司会 東洋大学 大野直美


(2)Portfolio Assessment for Academic Skills in English Reading Classes  
   発表 昭和女子大学 Kristie Sage
   司会 明海大学   中井延美


第131回 2015年6月13日(土)午後4時00分〜6時00分
               昭和女子大学80年館西棟3S41
 
(1)「英語資格試験に関する一考察ーー数値化された結果から見えるもの」
   発表 明海大学 中井延美 野上文子
   司会 拓殖大学 水野晶子


(2)English as a lingua franca: Perspectives and issues in the Japanese
  ELT context  
   
   発表 法政大学    Yutai Watanabe
   司会 昭和女子大学  Kriste SAGE


第130回 2015年3月14日(土)午後4時00分〜6時00分
  昭和女子大学80年館西棟3S41教室
(1)「医療英語における日常語の専門的使用に関する考察」
                首都大学東京 小山田 幸永
             司会 昭和女子大学 岸山 睦  
(2)『パミラ』から『トム・ジョーンズ』へと至る道ー『ジョウゼフ・アンドリュー
    ズ』を経由して
                駒澤大学 白鳥 義博
             司会 十文字学園女子大学 落合 真裕


第129回 2014年12月13日(土)午後4時00分〜6時00分
         昭和女子大学<研究館>6S02教室  
(1)『牧師の娘たち』と『脱構築』
                東洋大学 染谷 昌弘
             司会 法政大学 加藤 英治

(2)「英語の教材研究:ポップカルチャーの活用〜アニメ・マンガを中心に」
                駒澤大学 白鳥 義博
             司会      錦織 裕之     


第128回 2014年6月14日(土)午後4時00分〜6時30分
  日本大学通信教育部1号館地下会議室B
(1)リチャード・ライト研究年表―大宰治研究年表との比較において
             日本大学 木内 徹
          司会 日本大学 平塚 博子

(2)English as a Medium of Instruction: EU and ASEAN
             昭和女子大学 Kristie Sage
          司会 昭和女子大学 岸山 睦


第127回 2014年3月8日(土)午後4時00分〜6時30分
           日本大学生産工学部
           津田沼キャンパス37号館301教室(正面8階建ての建物
(1)Being Perceived as a ‘Native English Speaker’
             法政大学 渡辺 宥泰
          司会 昭和女子大学 クリスティー・セージ

(2)A Masque presented at Ludlow Castle, 1634 に関する一考察
   ―『1645年版詩集』における位置づけ
             日本大学大学院 桶田 由衣
          司会 東洋大学 石和田 昌利


第126回 2013年12月14日(土)午後4時00分〜6時20分
            日本大学通信教育部1号館地下会議室
(1)コールリッジの批評の原点
             大正大学   高山信雄
          司会 法政大学(元)山岸二郎

(2)英語の授業での成功体験を――授業の中での様々な試み――
             拓殖大学 水野晶子
          司会 明海大学 中井延美


第125回 2013年6月8日(土)午後4時00分〜6時20分
           日本大学通信教育部1号館303教室
(1)「小学校英語実践報告」〜音声面における誤用についての一考察〜
   明海大学 野上文子
司会 明海大学 中井延美

(2)ラティガン劇におけるユーモア ハリクイネードの場合
   十文字学園女子大学 落合真裕
司会 駒澤大学      白鳥義博


第124回 2013年3月9日(土)午後4時00分〜6時20分
   日本大学通信教育部1号館303教室
(1)Paradise Lostにおける "evil" と "pain"             
   日本大学(非) 野村宗央
司会 東洋大学   石和田昌利

(2)イーディス・ドンビーは「高慢」か―『ドンビー父子』再考―       
    日本大学(非) 角田裕子
司会 中央学院大学  市川仁



2012年度以前の内容については以下をご参照ください。

月例会アーカイブ(〜第123回)



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